インスタなどのいいね!によって、オンラインとオフラインの区別が付かない状況になっている人もいるようです。
「承認欲求オバケ」と呼ばれるような人々が注目を集めたがる理由には、いくつかの心理的要因が関係しています。
1. 自己肯定感の不足
- 理由: 自分に対する自信や自己肯定感が不足している場合、外部からの承認を通じて自分の価値を確認しようとします。他人からの注目や称賛が、自分の存在や行動が正しいことの証明と感じるため、注目を集めたがる行動を取ることがあります。
- 影響: 外部からの承認に依存することで、自己肯定感が一時的にしか得られず、継続的な満足感や自己価値の確立が難しくなります。
2. 他者評価によるアイデンティティの確立
- 理由: 自分のアイデンティティや自己像を他者の評価に基づいて構築しようとする傾向があるため、他人の注目や承認を求めることが増えます。他者からのフィードバックを自分の価値基準にしてしまうのです。
- 影響: 他者の評価に過剰に依存することで、自分自身の本当の価値観や欲求が不明瞭になり、自己理解が難しくなります。
3. 過去の経験や学習
- 理由: 幼少期や過去の経験で、注目や称賛を得ることでポジティブなフィードバックを受け、それが強化されることがあります。例えば、何かを成し遂げたときに親や教師から大きな称賛を受けた経験があると、その快感を再現しようとして同じような行動を取り続けることがあります。
- 影響: このような経験が繰り返されると、他人からの承認を得ることが成功や価値の基準となり、自分の行動や意思決定が他人の期待に左右されやすくなります。
4. 社会的比較
- 理由: 自分を他人と比較してしまう傾向が強い人は、他人よりも優れていると感じたい、または劣っていると感じたくないため、他人の注目を集めようとします。注目を集めることで、他者との比較において自分の優位性を確認しようとするのです。
- 影響: 社会的比較が強くなると、他人の成功や失敗が過剰に気になり、結果として常に他人と競争するような心境に陥ることがあります。
5. 孤独感や寂しさの解消
- 理由: 孤独感や寂しさを感じている場合、他人からの注目や関心がそれを一時的に和らげる手段となることがあります。注目されることで、他人とつながっている感覚を得たり、孤独感を埋めたりしようとします。
- 影響: このような注目は一時的な安心感を与えるだけで、根本的な孤独感や寂しさの解消にはつながらないため、注目を求め続けることになります。
6. 文化的・社会的要因
- 理由: 現代社会や文化では、SNSやメディアによって他人からの注目や評価が簡単に得られるようになり、それが承認欲求を増幅させることがあります。特にSNSでは「いいね」やコメントが即座に得られるため、それを求める行動が強化されやすいです。
- 影響: 注目を集める行動がエスカレートし、オンラインとオフラインの区別なく、常に他人の注目を求めるようになることがあります。
7. 不安やストレスの発散
- 理由: 自分の内面にある不安やストレスを和らげる手段として、他人からの注目を利用することがあります。他人からの注目や承認が、不安やストレスを一時的に和らげる「安全バルブ」として機能するのです。
- 影響: このような行動パターンは、不安やストレスの根本的な解決にはならず、逆に承認欲求が増幅してしまい、長期的にはさらに不安定な状態に陥ることがあります。
これらの要因は複雑に絡み合っていることが多く、個人によって異なる形で現れます。注目を集めたがる行動の背後にある理由を理解することは、その人がなぜそのような行動をとるのか、またどうすればその欲求を健全に満たすことができるのかを考えるうえで重要です。
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